茶道の作法とは?お茶の飲み方と注意点について詳しく解説

茶道でいただくお茶のイメージは、お茶碗を何回かクルクルとまわして飲むことがあります。難しいように感じるかもしれませんが、普段のお茶を飲む機会でも共通したマナーもあるため、茶道で学ぶ作法やマナーは日常でも活かすことができるでしょう。 しかし、よくわからずにお茶を飲んでしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまうのです。そこで正しい作法とマナー違反にならないポイントを知ることで、お互いが気持ち良くお茶の時間を楽しめるでしょう。今回の記事では、マナー違反にならないために知っておくべき注意ポイントと、お茶の飲み方を詳しく解説します。

1. お茶の飲み方と作法について

お茶の飲み方と作法について

茶道では、特別な空間の茶室でお菓子を食べ、心が込められたお茶をいただきます。茶室で行われる作法には、お菓子の食べ方からお茶の飲み方まで、美しい所作やマナーを守らなければならないこともあるのです。ここでは、裏千家のお茶の飲み方と作法について紹介します。

1-1. お茶を飲む前にお菓子をいただく

お茶を点ててもらっている間に、お菓子をいただくのが茶道の作法になります。亭主がお茶を点てながら「お菓子をどうぞ」と挨拶があり、それが「お菓子を召し上がれ」のサインです。お茶をいただく客は、「お菓子をちょうだいします」と感謝しながら亭主に一礼します。 この時に出されるお菓子は、専用の器に入れられて運ばれてきますが、順番に取り分けていかなければなりません。自分よりも後の人に「お先に失礼します」と一言声をかけ、取り分けていきます。お菓子に添えられている箸と懐紙でお菓子を取り、使い終わった箸はキレイに懐紙で拭き取り戻しましょう。お菓子の入った器を順番に回して、お茶を飲む前に美味しくいただくことが茶道のマナーになります。

1-2. 感謝の気持ちを表すお茶の飲み方

お菓子をいただいた後は、亭主が点てたお茶をいただくプロセスへと移ります。お茶が点てられると、目の前にお茶碗が差し出されます。この時、次の順番の方に一言「お先に」と声をかけ、お茶碗を自分のひざ元に置きます。 そして亭主に「お点前ちょうだいします」と言い、感謝の気持ちを込めながら挨拶をしましょう。左手でお茶碗を持ち、右手を添えてお茶を飲みますが、ここでお茶碗を回すことをしなければなりません。出されたお茶碗の正面を避けて飲む必要があるため、約180度まわすイメージで時計回りに2度まわします。 そして3回ほどに分けて飲み、最後の一口は音を少したてながら飲み切りましょう。飲み終わったら、親指で飲み口をキュッと拭き上げ、指は懐紙で拭いておきます。お茶碗を亭主に戻すのに、反時計回りに2度まわして飲み口を反対にした状態にします。お茶碗を返却する前に、器全体をチェックし、再び時計回りに2度まわして、正面を亭主に向けて戻しましょう。

2. 茶道のマナー違反にならないためのポイント2つ

茶道の作法には、細かい動作のイメージがありますが、それほど厳しく複雑ではありません。しかし、お点前に対しての最低限マナーを守る必要があるのです。ここでは、茶道のマナー違反にならないためのポイントを2つ紹介します。

2-1. お茶を飲む時のお茶碗の向き

心を込めてお茶を点てたお茶碗を受け取る時に、お茶碗の向きをしっかりとチェックしましょう。茶道では、出されたお茶碗の反対側から飲むのがマナーとされているからです。また、お茶碗を返却する時も、正面を向けて返さなければならないため、お茶碗の回し方や向きを意識しなければならないのです。 茶道では、お茶碗は正面を避ける、出された反対側で飲むなど、お茶碗の向きをしっかりと意識しながら、感謝の気持ちで美味しくいただくことが大切なのです。

2-2. お菓子をいただく時の注意点

お茶を飲む前にいただくお菓子は、食べ方にも気をつけなければなりません。小さく切り取り小分けにして食べる方が良いとイメージされやすいですが、茶道では小さく切り過ぎることに注意する必要があるのです。主菓子の饅頭や餅菓子などは、もともと小ぶりなため、半分もしくは三等分にしていただくことがマナーとされています。 出されるお菓子によって爪楊枝を使う、せんべいのような干菓子は手で割るなどしなければなりません。しかし、どちらとも共通する注意点があり、マナー違反にならないためにも、食べ方に気をつける必要があるのです。また、お菓子を食べながらお茶を飲むことはマナー違反になるため、食べ終わってからお茶を飲む動作に移りましょう。

3. まとめ

まとめ

茶道はかしこまったイメージがあるかもしれませんが、作法は普段いただくお茶の飲み方にも共通することがあるため、効率的にマナーを学ぶことができます。茶道の作法を通じて、おもてなしの気持ちや、感謝や思いやる声かけは、有意義なひと時を過ごせる素敵な時間となるでしょう。今回の記事では、茶道によるお茶の飲み方やマナーについて紹介しましたが、日常でも活かすことができるヒントも隠されているはずです。 裏千家「百華の会」では、初心者の方にお茶の世界を楽しんでいただけるよう、体験レッスンを実施しています。お茶を習ってみたい方から楽しみたい方まで、それぞれのご希望に合わせてコースもご用意していますので、一度教室を見学してみてください。ご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。