茶道のマナーとは?服装のポイントから基本的な作法まで詳しく解説

茶道のお作法と聞くと、敷居が高く覚えることが沢山あり難しいと感じる方が多いかもしれません。しかし、茶道のマナーには全体として共通する意味があり、そこを理解できれば覚えやすくなります。社会におけるマナーと同じく、行動の一つひとつに敬意を払うということが茶道においても大変重要視されます。 今回は、お茶室に入ったときに行うべきマナーや注意点をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.茶室に向かう前に気をつけるべき服装のポイント

茶室に向かう前に気をつけるべき服装のポイント

まずは、お茶室に赴く前の心得として気をつけるべき服装について説明します。茶道には着物、というイメージがありますが現代においては必ず着物を着なければならないわけではありません。男女ともに清潔感のある装いを意識しましょう。男性ならばスーツを着用しネクタイは派手すぎずシンプルなものを選ぶのがおすすめです。女性はオフィスカジュアルのような服装が好ましく、派手なネイルやアクセサリーを身につけるのは避けましょう。また、髪が長い場合は束ねてすっきりとした印象を与えることがポイントです。

また、服装において大変重要なポイントは、男女ともに白い靴下(着物を着る場合は白い足袋)を着用するということです。茶道では白い足袋や靴下には、あらゆる雑念をとりはらい清浄を茶室にもたらすという意味が込められています。茶道の精神と言われる「和敬清寂」の「清」につながる要素ともなりますので、白い靴下を着用することは忘れないように心がけましょう。

2.入室の注意点

茶道では、誰でも自由に茶室に出入りできるというわけではありません。役割に応じて入る順番が決まっています。順番としては 「正客」 「次客」 「末客(お詰め)」の順番に入室します。 正客とは、お客様の中の代表というイメージです。お茶を点てる亭主と会話をすることができる人物であり、お茶室の飾りについて・お茶の味の感想などを述べる役割を与えられているため、茶道経験が豊富な方が正客に当たります。次客は、正客のサポート係の役割を担っています。そして、末客は拝見の道具や茶菓子などを返却することが求められます。 茶道が初心者である場合にはこれらの役割を担う方々の後に続くようにして入室することがマナーとなっています。また、入室の際には「失礼します」と一言声をかけるようにしましょう。

3.お茶とお菓子をいただくタイミングと注意点

初心者の方が一番イメージの湧きやすい、そして難しいと感じるマナーの一つとしてお茶やお菓子の頂き方が挙げられるかと思います。どのタイミングでどのようにいただくべきか悩みどころです。以下に基本的な順序やポイントをまとめておりますので、参考にしてみてください。

3-1.お茶を飲む前にお菓子をいただく

まず初めに、お菓子が亭主によって運ばれてきます。運んできた方がお辞儀をしたら、こちらもお辞儀を返して敬意を払うようにしましょう。その後、「お菓子をどうぞ」と亭主から一言お声がけを貰ったら、「お菓子を頂戴いたします」と再度お辞儀と亭主に声をかけ、自分より後にお客が控えている場合には、「お先に」と気遣いを示す言葉掛けをしてお菓子をいただきます。 お菓子が大福や干菓子などの場合は手で、生菓子や羊羹などの場合は黒文字(爪楊枝)を用いて食べましょう。 お菓子は、お抹茶の引き立て役のような存在です。口の中に甘みを残した状態でお抹茶を飲むことで風味が増すように考えられています。そのため、お抹茶から先に飲むことやお抹茶とお菓子を交互に食べることはマナー違反とされていますので、もしもお抹茶とお菓子が同時に運ばれてきたとしても必ず最初にお菓子をいただくことを心がけましょう。

3-2.お菓子の後にお抹茶をいただく

お菓子をいただいた後に、お抹茶をいただきます。後に控えている方がいれば「お先に」と挨拶をして、亭主に対して「お点前頂戴いたします」と言い敬意を払う意味でお辞儀をします。 お抹茶を飲むときのお茶碗をくるくると回すことが有名ですよね。お茶碗を回す理由には、茶碗の正面から飲み口をずらし、絵柄が口で汚れることを避ける意味が込められています。最初は自分に絵柄が向いていますので、2回ほどお茶碗を回して飲み口を確保しましょう。 また、飲み切るときには最後の一口はスッと音をたて吸いきります。これは最後まで美味しく飲み干しましたという感謝の意味が込められます。

3-3.飲み終わったらお茶碗が出された位置に戻す

飲み終わったら飲み口を、右手の人差し指と親指でぬぐって汚れを拭き取ります。そして、お茶碗の絵柄が書いてある正面が亭主側に向くように手前から向こうへ2回ほど回してお茶碗が出された位置に戻しましょう。 お茶碗の正面は絵柄が最も美しく見えるように作られています。亭主はお客様が絵柄を美しく見ることができるように正面に向けてお抹茶を提供してくれているため、その気遣いに謙遜と感謝の意味を込めて、最後には正面をお返しするという動作をするのです。

4.まとめ

まとめ

茶道のマナーはお茶を点ててくれる方への「謙遜と感謝」を伝えるためのコミュニケーションの手段ともいえます。細かなルールはありますが、意味や背景も一緒に覚えることで茶道には日本の文化や人の温かい気配りに触れることができる魅力が詰まっていることがわかります。これを機に是非茶道の世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。 「百華の会」は、東京の銀座を拠点として茶道の文化を発信しております。教室は初心者の方でも存分に茶道の魅力を感じていただけるように、1日体験が可能なコースもご用意しております。茶道に興味があるという方は、まずは一度お気軽にお問い合わせくださいませ。