現代に語り継がれる美しい日本の伝統文化と日本人の美意識とは?

現代に語り継がれてきた日本の伝統文化には、スポーツや芸術、音楽やエンタメなど幅広いジャンルのものがあります。伝統文化ってなにがあるのか、美しさはどういったところにあるのかと、疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。ふとした日常に日本の伝統文化は溶け込んでいます。今回は、日本の美しい伝統文化と、日本文化特有の美意識や考え方をご紹介します。

1. 美しい日本の伝統文化5選

美しい日本の伝統文化5選

日本には、美しい伝統文化がたくさんあります。武道、料理、芸能や技術、楽器など枚挙に暇がありません。今回は世界的にも有名で美しい日本文化を5つご紹介します。

1-1. 書道

毛筆と墨を使って文字を書き、その文字や書体で自分の思いや考えを伝える表現方法です。また、文字の美しさや力強さを表そうとする芸術、アートであるともいえます。書道を習うことは、当時の武士や貴族にとって大切な教養のひとつだったといわれています。

1-2. 茶道

室町時代に交流のひとつとして「わび茶」が成立し、今の茶道に発展させたのが千利休です。茶道から生まれた概念や教え、教養はたくさんあります。「侘び寂び」「おもてなし」「和敬清寂」など、現代社会でも深く根強く受け継がれています。

1-3. 歌舞伎

日本の伝統芸能のひとつ、歌舞伎は重要無形文化財にも認定されています。セリフや音楽、舞踊が合わさった古典演劇です。現代風にいえばミュージカルともいえるでしょう。現代でも娯楽として語り継がれてきました。そんな歌舞伎の始まりは1600年ごろに阿国という女性の「かぶき踊り」であるとされています。

1-4. 華道

華道とは、四季を代表する花や樹、草などの材料を、器に美しく飾り立てる芸術です。華道も茶道と同様に室町時代から始まり、礼儀作法を大切にする日本の伝統文化です。そもそも花を飾る文化は、仏前に草加をお供えすることから始まりました。華は命がある尊いものとされ、のちに華道へと発展していきました。

1-5. 武道

武道は、武士道をもとに受け継がれてきました。日本の武道はたくさんあり、柔道、空手、弓道、相撲、剣道など。現代の日本でも盛んに行われています。武道とは、心技体を一体として体を鍛え、技術を習得し、人格を磨き、道徳心を高める人間の質を上げる道とされています。

2. 伝統文化から生まれた美しい考え方

日本の伝統文化から、さまざまな美しい考え方が生まれて現代に息づいていることも見逃せません。ここでは、伝統文化からうまれた美しい考え方についてご紹介していきます。

2-1. 侘び寂び

侘び寂びとは、「侘しさ」と「寂しさ」を表す日本語で、観念的で美的な意味合いを持つ概念です。簡単に説明すると、「日本文化特有の美意識や感覚」です。華やかではなく質素なもの、長い年月劣化しているものを侘び寂びと表現します。 日常ではあまり馴染みのない言葉ですが、この侘び寂びの美意識は今の日本でも多く残っています。たとえばお寺や骨董品、歴史のある観光地にはたくさんの侘び寂びがあるのです。わざわざ言葉にはしませんが、この日本人特有の美意識は長い年月をかけてずっと語り継がれています。

2-2. おもてなし

東京オリンピックで有名になった「おもてなし」は、室町時代からある考え方です。「おもてなし」は「もてなす」の丁寧語であり、お客様をお迎えするという意味です。また「おもてなし」のもう一つの語源は「表裏なし」つまりは、表裏なく、お客様をお迎えするということが含められています。 このおもてなしの語源は、室町時代に発祥した茶の湯から始まったと言われており、客や大切な人への気遣いや心配をする心です。現代の日常、ビジネスシーンでもおもてなしの心はたくさんみられます。たとえば旅館やホテル。見送りの際に、見えなくなるまで頭を下げて見送りしてくれるなどです。当たり前のように行われていますが、これもおもてなしの心から来ています。海外ではレストランでウェイターにチップを渡しますが、日本ではありません。チップの受け渡し文化がないのも、おもてなしの心があるからとされています。

2-3. 禅

禅は、インドで生まれ、中国から日本に伝わってきました。「精神統一をし、真理を追求すること」を意味するサンスクリット語を音訳した「禅那」の略とされています。禅はたくさんの教えやあります。全てをこなすことは不可能ですが、簡単に説明すると、自分自身の存在の真実を探究することです。禅の教えは、今の現代社会にも落とし込めるほどシンプルな教えです。数多くの教えから代表的な「両忘」「日々是好日」について簡単にご紹介します。 「両忘」は、好き嫌いや善悪、「あの人が間違っている」「なんだか好きになれない」と、白黒つけたがるこだわりを忘れましょう、という言葉です。このような姿勢から解放されれば、心に余裕が生まれます。 「日々是好日」は、「過去を忘れ、今を大切にして精一杯生きて、良い一日にしなさい」という意味です。ひとつのことでクヨクヨするのではなく、早く忘れて今を大切に生きていこうといった考え方です。当たり前のことかもしれませんが、日常生活では忘れてしまいがちなことではないでしょうか。

3. まとめ

まとめ

日本の美しい伝統文化はたくさんあります。日本人ならではの感性や美意識は今のなお私たちに語り継がれているでしょう。今回上記で紹介した、美しい伝統文化から生まれた考え方は主に茶道から始まったとされています。日本の伝統文化を学びたいと思いの人は、ぜひ茶道をおすすめします。 銀座にある「百華の会」では、茶道を通して美しい日本文化を海外の方はもちろん、日本にお住いの方に対しても改めて発信をさせていただいております。日本で伝統的に培われてきた美しい文化の一端を、まずは1日体験からでも構いませんのでお気軽に味わってみてください。