こんにちは。
東京オリンピック誘致のときからでしょうか。
「おもてなし」を学びたいから茶道を習ってみたい、ということで
私の教室にいらしていただく方が多くなりました。
また、テレビや雑誌などでも様々な「おもてなし」の方法が紹介される昨今です。
大切な方を上手に「おもてなし」したいと
情報をたくさん集めても、
残念ながらきっと自分の思い描いた「おもてなし」にはならないと思います。
何故なら、「自分にとって大切にもてなしたい誰か」のために考えられた
「おもてなし」のhow-to本はこの世の中に存在しないからです。
自分が誰かにもてなされた記憶を辿ってみましょう。
美味しいお料理や、美しい季節のお花の床 、
暑い夏の風鈴、雪の日の暖かい手炙り‥‥
心に残っているもてなしは、
「如何に私の事を考え、深く慮って下さったか」が伝わった時のものでした。
たとえ特別なものが無かったとしても、
私の状況を理解し、想像して心を込めて下さったのなら
コンビニのお菓子とお茶であっても
最高に嬉しいもてなしを受けたという気持ちになれるものです。
心を通わせる、ということは
物質世界とは隔絶したかけがえのない喜び。
お点前に心をのせたお茶こそが
美しい日本の「おもてなし」であろうと思っております。