ヌエックアニバーサリー茶会のお手伝いに伺って参りました

よく晴れた平日の1日、

埼玉県嵐山町にあります国際女性教育会館(ヌエック)の

アニバーサリー茶会を手伝わせていただきました。

自分の社中の茶会や青年部の茶会は何度も経験しておりますが

他の社中の中に入っての茶会は全く初めて。

先生毎に茶会での心遣いや運営方法も違うと想像しますので

来年の3月1日に開催いたします靖国神社の茶会を控えた私としましては

全てが勉強、のつもりで伺いました。

 

平日だというのに、嵐山町の方たちはお茶に大変興味がおありのようで

毎回お席は好評でございました。

 

冷暖自知

 

という言葉があります。

人は自分でお水を飲んでみて、初めてその水の冷たさを知る、

という禅宗の教えの一説ですが

何事も頭で考えていただけでは真実は分からない、

自らの身体や心で経験することが大事ということだと思います。

 

私たちは現代に於いて多くの情報を容易に得ることができます。

外食しようと思ったら、飲食店のWEBサイトを見れば

メニューも価格もお店の雰囲気や利用者の感想まで知ることが可能です。

でもこの便利さに落とし穴があるように感じます。

 

どれほど丁寧な情報でも自分にとっては全てバーチャルな情報で

分かった気になっているだけ。

『体験して分かった』

のではなく、

『分かった気持ちになる』

だと的確な判断ができません。

自分のものさし、ではなく

誰かのものさしの寄せ集め、では説得力がありません。

実際に体験したことのある方のお話と

博学であるけれども経験が伴わない方のお話では

惹きつける力に大きな違いがあります。

 

視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚と五感をフル活用して

自ら体験するのが茶道です。

床の花の色を喜び

湯の沸く音を聞き、

四季折々のお菓子の味を楽しみ

お茶の点った香りに遊び

手中のお茶碗の納まりを感じて

お招きしたもの、お招きされたもの同士が気持ちを合わせる。

体験することによってのみ

自分のお茶の人生が奥行き深いものになっていくと思っております。

 

 

後藤宗華