中村雀右衛門丈の楽屋にお邪魔致しました

昨日は四世中村雀右衛門さんの七回忌追善の
男女道成寺を観に歌舞伎座へ行ってまいりました。

雀右衛門さんの白拍子花子は息をのむ美しさ、
桜のように艶やかで、橘のように芳しく、牡丹のようにふっくらと優しげ、
完全に虜になっておりました。

終了後は楽屋へお邪魔させて頂きました。

楽屋へお邪魔するまでの廊下には演舞でお使いの衣装や、手持ちの小道具などが
整然と直ぐに持ち出せるように置いてあり
一人一人のお名前がちゃんと書かれて間違うことのないようにと細やかな配慮がございました。
華やかな舞台を支えてらっしゃる裏方の方の心がけの結果をお感じ致しました。

普段お茶のことのみブログに書かせていただこうと決めているのですが
この度は名前を継承して芸を継承する責の重さと
茶道という伝統を守っていくことの難しさが似ていると再認識したことと、
お茶をお稽古するということは、そこで使うお茶碗や、茶筅、お着物…などなどを制作されていらっしゃる職人さんたちの伝統技術を支えているということと
歌舞伎座の裏方の方々の言葉少なな懸命さが本当によく似ていると思ったからです。

伝統は受け継いでくださる人がいなければ伝えることができません。
例えると、陸上のリレーのようなものだと思うのです。
次の方がトラックの中に入っていなければバトンが渡せません。
観客席から見ている人ばかりでは
そのチームはそこで終わってしまうのです。
綺麗きれいキレイな雀右衛門さんの舞台を拝見して
芸に向き合うことの真剣さを感じました。
真剣=瞬間に懸命な努力を発揮すること、
茶道に今まで以上に向き合い、根を張らせ、強い風が吹いても折れない倒れない丈夫な枝や幹を作って、一人でも多くのかたに
茶道の真の良さをお伝えしてまいりたいなと思いました。