秋の到来を感じた茶会

台風18号が日本を縦断したこの週末に催されたお茶会に行ってまいりました。
どのお席も趣向が素晴らしく感心いたしましたが
濃茶席のお菓子「初雁」という銘に多くを語らずとも季節の移り変わりを表現する日本語の豊かな表現力を感じました。
「初雁」は葛の中に黒糖の餡で夜のイメージ。
葛の中に微かに白く見える百合根を、初飛来した雁に見立てています。
暦や時計のない時代に闇夜に聞こえる雁の鳴き声に秋の到来を感じた古の人々。
このようなお菓子を頂く度に和菓子の奥ゆかしさの中にある確かな存在感を確認出来ます。茶室の中の全ての道具や人の中に見事に調和してその一部となり
この一会のストーリーテラーともなるお菓子。
日本文化の象徴の1つだと思います。