調身、調心!

この度のコロナウィルス感染拡大防止に伴い

お稽古を銀座校、豊洲校共にお休みすることにして、1か月以上となりました。

お稽古を休んでいる間にお家で出来るお稽古として

「基本のき」第三弾お茶碗の拭き方を

会員専用ページにアップいたしました。

お稽古をお休みしている中であっても

沢山の皆さんからお茶に対する今の自分の考え、気持ちを

メールやライン、お手紙などで伝えてくださり、

お一人お一人順番にお返事させていただいております。

私にとりましてそれはとても嬉しく、また襟を正す作業でございます。

そのお返事の中で、お茶をお稽古してよかったことは?

と何人かの方に伺いました。

そのお返事に「季節を感じられるようになった」というお答えの方が大勢いらっしゃいました。

早朝に家を出て地下鉄に乗り、オフィスのあるビルまでは地下道が通じていて、、、

なんてことは全く珍しくもないことで、そのビルの中で一日を過ごして

そのまま家に帰っていくなんてこともあるかもしれません。

ランチやお出掛けで行くお食事でも今やどんな食材でも一年中頂くことができ、

ファッションですらシーズンレス、カゴバックを冬に持つことは「おしゃれ」と言われます。

そんな生活を1年365日送っていたらいつのまにか季節感が自分の中から失われて行ってしまうのでしょう。

茶道もそうですが日本の文化では季節感というものを非常に大切にします。

これは、四季のある日本の気候風土によって育まれた極めて繊細な感覚。

お茶室での設えやお道具の取り合わせで季節感を表します。

お稽古にいらして茶室に座った時に、

忙しい日常に埋もれてしまった、本来持っていたはずの

日本人としての感覚やリズムが

呼び戻されるのではと嬉しく感じました。

私の大好きな作家のひとりである夏目漱石の書かれた一行の軸がございます。

移竹楽清陰我

生まれたままの太さを保ちながらまっすぐ伸びていく竹の潔さを書いたものと思います。

則天去私、自らもこうありたいと思ってやみません。

感染者数も徐々に減ってきたようで、普通の日常が近づいてきたようにも思えますが

まだまだ油断することなく健康に留意して

こういう時こそお言葉使いや動作を変わることなく丁寧に、

気持ちと身体を整えてお過ごしください。

調身、調心!です!